データをつなぎ、AIが医療現場を陰で支える
医療DXという言葉が広く使われるようになり、電子カルテ、クラウド、データ連携など、医療現場のデジタル化は着実に進んできました。
そして今、その先にある新しい変化が始まろうとしています。
2026年8月、厚生労働省は「ヘルスケアAX・DX推進本部」を設置しました。同本部では、ヘルスケア分野におけるAI利活用とDXを戦略的・総合的に推進する方針が示され、9月の第2回会合では「医療DX」と「ヘルスケアAX」がそれぞれ議題として取り上げられています。
私たちは、この動きを単なる新しいキーワードの登場とは考えていません。
これまで進められてきたDXによってデータやシステムをつなぎ、その基盤の上でAIが実際の業務を支える。医療のデジタル化が、次の段階へ進もうとしていると捉えています。
「AIを使う」から、「AIが業務の中で働く」へ
これまで生成AIを利用する場面では、人がAIを起動し、情報を入力し、指示を出すことが一般的でした。
しかし、医療現場は忙しく、「AIを使うための作業」そのものが新たな負担になることもあります。
私たちはこれまでも、DWH(データウェアハウス)などの院内データ基盤と生成AIを連携し、人が情報をコピー&ペーストしなくても、必要な情報をもとにAIが業務を支援する仕組みについて検討・実践してきました。
2025年の日本医療生成AIフォーラムでも、生成AIを単独のツールとして利用する段階から、医療システムの裏側で必要な時に機能する「インフラとしてのAI」へ進んでいく可能性について紹介しています。
目指しているのは、AIそのものが目立つ医療現場ではありません。
必要な情報がつながり、必要なところでAIが働き、人は人にしかできない仕事に時間を使える。
そのような環境です。

私たちが考える「医療AX」
AX(AI Transformation)には、今後さまざまな定義や捉え方が生まれていくと考えられます。
メドナレッジラボでは、医療AXを、
「データとAIを実際の医療業務に組み込み、仕事の進め方そのものを変えていくこと」
と捉えています。
DXによって情報をデジタル化し、データをつなぐ。
そのデータをもとにAIが、記録、情報整理、連絡、案内などの業務を支える。
そして、人は判断やコミュニケーション、患者さんへのケアなど、人にしか担えない役割により多くの時間を使う。
DXとAXは別々のものではなく、DXによって整備された基盤の上にAXが広がっていくものだと私たちは考えています。
AIだからこそ、安全性を後回しにしない
一方、AIを医療業務へ深く組み込むほど、安全性やガバナンスの重要性は高まります。
便利なAIサービスを導入するだけでは、医療AXとは言えません。
どのデータを扱うのか。
誰がアクセスできるのか。
どのような記録を残すのか。
外部サービスとどこまで情報を共有するのか。
問題が起きた時に追跡できるのか。
こうした設計を、AIの機能そのものと同時に考える必要があります。
私たちは、高水準の安全な運用基盤の上でAIを活用することを、医療にAIを実装するための前提と考えています。
便利さと安全性のどちらかを選ぶのではなく、その両方を実現することが、医療分野でAIを社会実装していく企業の責任だと考えています。

データをつなぎ、AIが医療現場を陰で支える
AIが医療従事者に代わることを、私たちは目指していません。
むしろ、医療現場に存在する数多くの情報整理や定型的な業務をAIが陰で支えることで、人が患者さんやチームと向き合う時間を増やしていく。
それが、私たちが描く医療AXです。
メドナレッジラボは、医療現場の知見を起点に、AI SaaSの開発、医療AIの技術検証、導入支援を通じて、この変化を一つずつ実装していきます。
医療DXを、その先のAXへ。
テクノロジーを導入すること自体を目的とせず、その先にある医療現場の変化を形にしていきます。

