2026年9月12日・13日に大宮で開催された「第67回全日本病院学会in埼玉」に参加しました。
今回、特に印象に残ったのが、医療DX・AIに対する現場からの関心の高さです。
本学会では「DX・AI・サイバーセキュリティ」が一般演題の独立したカテゴリとして設けられ、さらに「医療AI」をテーマとする学会企画も開催されました。
医師だけでなく、看護、事務、医療技術職などさまざまな立場から、生成AIやデジタルツールを実際の業務に取り入れた事例が数多く発表されていました。
「この業務をこれだけ短縮できた」「この作業を自動化できた」といった、非常に現場に近い報告が多かったことも印象的でした。
一方、私が聴講した範囲では、AI導入時のセキュリティ、データの取り扱い、ガバナンス、システムとしての安全設計まで深く踏み込んだ発表は、まだそれほど多くありませんでした。
ただし、これは必ずしも否定的に捉えるべきことではないと思います。
全日本病院学会はAIや情報工学を専門とする学会ではなく、病院で働く多職種が日々の取り組みを共有する場です。そのような学会でこれだけ多くのAI・DXの実践例が発表されていること自体が、AIが研究者や一部の専門家だけのものではなく、実際の医療現場へ入り始めていることを示しているように感じました。
もちろん、学会で紹介される事例は先行的な取り組みが中心です。これらがそのまま全国の医療機関への普及状況を表しているわけではなく、まだAIを本格的に導入していない医療機関も多いと考えられます。
だからこそ、今回感じた「関心の高さ」と「実装との距離」には大きな意味があります。
これから医療AIがさらに広がるためには、単に「便利になった」「時間が短縮された」という段階から、安全性や運用、既存システムとの連携まで含めて考える段階へ進む必要があります。
今回の学会は、医療AIがどこまで現場に入り始めているのかを知る、非常に貴重な機会となりました。

